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創業者の思いに触れる

こんにちは。

ナカ ナカ ナカ…とひぐらしも鳴きはじめ、

秋の気配がすぐそこまで近づいてきましたね。

 

 

 

秋が近づくと夜も熱帯夜から過ごしやすい秋の夜長へと

移り変わるので、読書をしたい気持ちが膨らみます。

 

 

 

そんな夜のお供に見つけた1冊がこちら。

何事も工夫に勝るものはなし 中野利生

 

 

中野BC(酒造)の創業者である中野利生氏の回想録です。

もちろん非売品。

社員や一部の方だけに配られる、知る人ぞ知る本なのです。

 

 

 

 

まだまだ読み始めたばかりなのですが、

興味深かったところをご紹介します!

 

 

 

 

 

それも知る人ぞ知る、日本庭園から望むことができる蒸留塔のお話です。

今は使われていないのですが、中野BCの原点を語るには

外せない建造物です。

 

 

 

 

 

中野BCは他の日本酒の酒蔵とは違い、

日本酒でなく焼酎製造からスタートしました。

(1949年焼酎「富士白」製造・1958年清酒「長久」製造)。

 

 

 

 

 

 

(クリックで拡大)

製造には蒸留塔が必要で、

高さがあればあるほど純度の高い高品質の焼酎を生み出すことができるため、

利生氏は大工見習いをしていたこともあり、自ら設計したそうです。

 

 

その当時、木造建築の高さの最高水準は約11メートルだったのに対し、

高品質な焼酎を求めた利生氏は、2倍の約22メートルの蒸留塔を設計し、

県に特別に許可をしてもらったそうです。

 

 

しかし、建造された昭和24年の翌年の昭和25年、

死者 398名、行方不明者 141名、負傷者  26,062名を出した

ジェーン台風が和歌山県に猛威を振るいましたが、

蒸留塔は倒れることもなく、その頑丈さを見事に証明することになったそうです。

 

 

蒸留塔の高さの話は聞いたことがあったのですが、

台風にも耐え抜いたという話は聞いたことがありませんでした。

本のタイトルにもなっている、「何事も工夫に勝るものはなし」という

言葉がすごく心に響きます 。

 

 

 

創業者とは残念ながら直接お会いしたことはないのですが、

この回想録を読むことで、利生氏の思いに少し触れることができ、

その思いがあの蒸留塔という形で68年経った今でも残っていることが、

またすごいことだなと思います。

 

 

 

「何事も工夫に勝るものはなし」

少しずつ、大切に読み進めたいと思います。

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