こんにちは!
先週、長久「本醸造」が大阪国税局清酒鑑評会で優秀賞をいただきました!
その受賞を記念して、この夏からしたいと思っていた実験を受賞企画でやってみました!
それは、「日本酒の出汁割り」
これから鍋がおいしくなる季節。
鍋に日本酒はかかせないお酒のひとつですね。
鍋単体でもおいしいけど、日本酒を合わせるともっとおいしくなる。
それはなぜなのか?と色々調べていると、「うま味の相乗効果」が関係しているそうです。
鍋のおいしさの秘訣は「割下(スープ)」。
かつお出汁、昆布出汁、魚介などのうま味成分が引き出された出汁に、
さらに野菜や肉など具材の旨みが加わったのが割下です。
代表的なうま味成分に、グルタミン酸(アミノ酸)とイノシン酸(核酸系うま味物質)があります。
この2つを組み合わせることで、「うま味の相乗効果」が生まれると科学的に発見されたのが1960年。
この法則は、発見前より世界各国で料理に活かされてきました。
鍋の素材で使われる肉や出汁にはイノシン酸を含むものが多く、
日本酒にはアミノ酸のグルタミン酸やアラニンが含まれています。
日本酒と鍋を合わせることで、「うま味の相乗効果」が生まれます。
鍋に合うお酒と言えるでしょう。
この旨味成分が凝縮された「出汁」。
これを日本酒で割る「出汁割り」といった飲み方もあるそうです。
(なんでも、東京の赤羽にある立ち飲み屋さんが発祥なんだとか)
これは是非試してみたい!
ということで、今回は4種類の出汁を準備。
(左から)
トマト出汁 かつお出汁 こんぶ出汁 煮干し(いりこ)出汁
なぜトマト?と思った方が多いはず。
実は、トマトにはこんぶにも含まれている旨味成分のグルタミン酸がたっぷり。
野菜の中で一番含有量も多いそうです。
=だしにもできる?
ということで、トマト出汁で調べてみると、調理法もすぐに出てきました!
作り方は簡単。
ヘタを取り除いてざく切りにしたトマトを水で煮込みます。
その後は、ペーパータオルで越して、熱が取れれば完成です。
出がらしトマトはもちろん流用可能。
このあと、おいしくせのーがいただきました。
これを本醸造の冷やと燗で割ってみました。
結果はこちら!!
トマト出汁は個性が強すぎて日本酒の味わいが負けてしまいました!!
それだけ、トマト出汁は単体でも濃い味わい。
甘い香りに、味わいはトマトのすっぱさを取り除いたような感じでした。
トマト好きはこのままでも飲めます。私も飲めます。トマト大好きです。
全体的に優秀だったのは、煮干し出汁でした。
個人的に、煮干し出汁の下処理の作業が楽しかったです。
まずは頭を取ります。
はらわたを取ります。
ヘタクソで本体がバラバラになっちゃいました。
これを使う分、処理していきます。
これが
こうなりました。
面倒と思う方もいらっしゃいますが、頭とハラワタは取らなくても良いそうです。
取り出すときは、より雑味をおさえたい時。
今回は日本酒で割るため、すっきりとした煮干し出汁を取りたかったので分解しました。
通常の料理の時はそのまま煮だすのが一番手間がかかりませんよね。
ただし、煮干しの元になるカタクチイワシはとても鮮度が落ちやすい魚で、
煮干しにしても酸化しやすいそう。
新鮮な煮干しでなければ、灰汁が出やすく雑味の多い出汁になるそうです。
ムズカシイネ、ニボシダシ。
うちも家でたまに煮干し出汁を取っていますが、開封済みの煮干しは絶対冷蔵庫で保管しています。
以前、冷蔵庫になおさずに常温で棚に戻していたら、酸化してダメになるから冷蔵庫になおせ!
とものすごく怒られました 😥
料理は素材の扱い方にも気をつけないといけないんですね。
そんなことを思い出した、出汁割り企画でした。
みなさんも是非お試しあれ!