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2019.11.11

新米の日本酒作り(初仕込み)

皆さん、こんにちは!
和歌山の酒蔵・中野BCです。

 

今年の仕込みが行われました!

新米を使った、初めての仕込みと言う事でテレビや新聞などメディア様にもたくさん取材頂き、ご質問等も頂きましたので一部、ご紹介させて頂きます!

 

 

ところで、

仕込みって何??


一般的に仕込みというと「食材の仕込み」とか、「イベントの仕込みをする」とか、なにか準備をすることのように使われますね。
英語でも準備を意味するprepareの名詞、「Preparation」を使い、日本酒の仕込みは「Sake Preparation」と言うそうです。

 

ただ、日本酒造りにおいての「仕込み」は、私の印象では、準備というより、、、日本酒造りのメインのようなイメージです。笑

文字にすると、『日本酒の元となる、酒母、麹、蒸米、水を加えて発酵させ「醪(もろみ)」を造る工程』を言いますが、
少し分かりにくいので実際のお写真を交えてご説明させて頂きます。

 

 

事前に水分を吸わせておいた酒米を、甑(こしき)という蒸し器に投入し、
一時間程かけてゆっくり蒸していきます。

日本酒 初仕込み 紀伊国屋文左衛門 (4)

立ち上る湯気にはお米の甘い香りが含まれており、非常に・・・お腹が空いてきます。笑

 

 

蒸し立てのお米は非常に熱い状態です。

このままタンクに入れてしまうと、発酵を促す酵母菌達がビックリしてしまうので、蒸されたお米を、適温になるまで温度を下げます。
この作業を放熱(ほうねつ)と言います。

日本酒 初仕込み 紀伊国屋文左衛門 放熱

 

 

落ち着いた蒸米を、あらかじめ、酒母(日本酒の元)、麹、水が入れられたタンクに投入していきます。

日本酒 初仕込み 紀伊国屋文左衛門

 

 

ちなみに、こちらの写真は「櫂入れ(かいいれ)」という作業中。
櫂棒という専用の棒で混ぜることで、発酵にムラがないよう、タンク内の温度を均一にしています。

日本酒 初仕込み 紀伊国屋文左衛門 櫂入れ

 

 

この作業が見た目以上に体に来ます。。。(~_~;)

というのも、櫂入れで使用する器具を「櫂棒(かいぼう)」と言いますが、下の方は小判形になっており、タンク底から引き上げる事で、全体を撹拌(かくはん)していきます。


酒母造り 紀伊国屋文左衛門

 

お米が投入されていく度に重くなり、お米が水分を含んでいく度に重たくなり、体が重くなる度に重くなる…苦笑

と言っても、日本酒造りにとって大事な、大事な作業になるので、気を抜かないように交代しながら進めていきます。

 

 

日本酒の仕込み作業はここまで。

中野BCの日本酒造りでは「三段仕込み」を行いますので、あと2回、同じ作業を行います。
※三段仕込みについては日を改めて更新します!

 

 

新米での初仕込み


当社では、新米で銘柄「紀伊国屋文左衛門」をシーズン初めての仕込みを行う事を『初仕込み』と呼んでいます。
いわばこの季節の風物詩です。


「生原酒」というシリーズの1種をつくりましたが、今季入荷したばかりの新米、山田錦と出羽燦々という酒米を使用しています。
お酒の為の酒米はたくさんありますが、造りたい味わいや香りなどによって変えていきます。

ちなみに山田錦は“酒米の王様”と呼ばれる程、一番有名で好まれている酒米です。

 

 

 

新米というと気になるのが今年の様子!

当日もたくさんのご質問が飛び交っておりましたので、こちらは酒作りの長 杜氏(とうじ)の武田博文よりコメントを頂きました。

日本酒 初仕込み 紀伊国屋文左衛門 杜氏 取材

まるで囲み取材です。笑

 

 

台風や猛暑を乗り越えて、今年も良いお米の出来上がり


米と水だけで造る日本酒にとって、お米の出来がお酒の出来に直結します。

夏の猛暑、秋の大型台風の影響が非常に心配でしたが、当蔵・中野BCに入荷されるお米については無事に良いお米が入ってきております。

醪(もろみ)としてお米が溶けやすい、溶けにくいで、日本酒造りの工程のタイミングなどが変わるのですが、今年はお米も良く溶けてくれていて、しっかりした味わいになるのではないかと感じています。

ただ、まだまだ造っているなかで変化するのが日本酒造り。新米の様子をしっかり見極めながら今季の造り方を検討したいな、と思います。

 

また台風などは丁度お米の収穫シーズンと言う事もあり、被害を受けられたお蔵さんもありますので、
入荷したお米を大事にしながらお酒造りを行いたいと思います。

中野BC 杜氏 武田博文 日本酒

たとえカメラが向けられていようとも、仕込みの様子をジッと見つめる様子は、普段の冷静な武田杜氏のままでした。恐れ入ります。

 

 

 

杜氏のコメントからはひとまず安心といった感じでしょうか。

後は、出来上がりが待ち遠し限りですが、この気持ちはお客様のみならず、蔵人も同じみたいです。

 

 

新酒「紀伊国屋文左衛門」生原酒のご予約はコチラから!


この日仕込んだお酒は、11月下旬には搾りを行い、瓶詰され、毎年12月中旬頃に発売となり、
純米酒「紀伊国屋文左衛門(きのくにやぶんざえもん)」生原酒というラベルで発売になります。

毎年、社員やスタッフ向けに社内に予約表が貼りだされますが、すぐに一杯になり、発売日の夕方にはたーっくさんの予約分の日本酒瓶が並んでいます。

ケースで買うスタッフもちらほら。笑

 

 

「生原酒(なまげんしゅ)」は純米酒を加水・熱処理などをせず、搾ったそのままを瓶詰めしたお酒で、
紀伊国屋文左衛門シリーズのまろやかな米の甘みと濃厚な味わいに、フレッシュな香りと、新酒ならではの濃厚さをご賞味いただけます。

日本酒 初仕込み 紀伊国屋文左衛門 (色加工済み)

 

令和初の新酒です。
年越し、新年のお祝いに華を添える1本として、ご帰省やご挨拶の手土産として、また日本酒ツウとして「今年のお酒の傾向は…」と話のネタにも。

 

皆様の期待に応えられるよう、最後の一滴まで美味しいお酒に仕上げたいと意気込んでいます。
ぜひご予約の程、お待ちしております。

 

ご予約やご購入は、当蔵にお電話やネットでのご注文を頂いても大丈夫ですし、

お近くに、日本酒をたくさん置かれている専門店様がいらっしゃればお伺い頂くのも良いかと思います。

「しぼりたての新酒を予約したい」と言えば様々な種類をご紹介いただけるかもしれません。

当社の日本酒が無ければ…「和歌山の中野BCの紀伊国屋文左衛門をぜひ置いてください!」と仰っていただければ幸いです!笑

 

また、ぜひ台風等の影響で、数量限定ですが入荷されているお酒があればぜひ一緒にご購入下さい!!

 

 

インターネットからのご予約はコチラから▼

【クール】★しぼりたて生の新酒★純米酒「紀伊国屋文左衛門」生原酒

1800ml:2,640円(税抜き2,400円)
720ml:1,320円(税抜き1,200円)

http://shop.nakano-group.co.jp/shopbrand/014/P/