こんにちは。
今日は猛烈な寒さですね…。
滅多に雪が降らない和歌山県ですが、会社がある海南市も18時過ぎくらいから積雪の予報が
出ています。
そんな寒さの中でも、蔵人による日本酒の仕込みはまだまだ続いています!
とある日、仕込みの風景を撮影しに蔵へ行きました。
酒米の蒸し上がりを待って端杜氏とお話ししていたとき、
ふいに杜氏が「醸造日記」と書かれたメモ帳に取り出しました。
取引先の企業の方からいただいたメモ帳だそうです。
ちょうど杜氏の手のひらにおさまる大きさで、2冊持っていらっしゃいました。
書かれていたのは「数字」だけ。
その意味を聞いたら丁寧に教えてくださいました。
酒米の元の水分量と、酒米を※浸漬(しんせき)させた後の水分量だそうです。
※浸漬とは、酒米を洗米した後に新しい水に漬けて吸水させること。
浸漬作業では、水に浸しておく時間がとても大切になってきます。
その時間を求めるために、このように事前に書き出して目安にするそうです。
時間を求める計算式もあるそうですが、「感覚」が大切になってくるとおっしゃっていました。
端杜氏が師事した杜氏からは、数字に頼らず自分の「感覚」を磨いていくようにと
教えられたそうです。
数字は数字でしかなく、たくさんありすぎると分からなくなってしまうからだと。
今でこそ計算式があったりと日本酒の造り方も科学的になってきていますが、
そういった概念がない時代から日本酒は存在しています。
その時代に日本酒を造っていた人々はそういったものに頼らず、
自分たちの「感覚」の中で日本酒を造っていました。
端杜氏の言葉には、月並みですが、「職人」である杜氏を感じた瞬間でした。
端杜氏の「醸造日記」の中には、他にはどのようなことが書かれているんでしょう。