●搾り機
発酵の終了した熟成もろみを日本酒と酒粕に分離させる「圧搾」工程。通常の日本酒は自動圧搾機を通しますが、大吟醸や純米大吟醸、出品酒は醪(もろみ)を酒袋に入れて吊るし、重力をかけず自然に落ちてきたお酒だけを集める「袋吊り」や醪を入れた酒袋を槽(ふね)と呼ばれる大きな枠の中に積み、上から圧力をかけてお酒を搾る「槽しぼり」で時間をかけて雑味のない日本酒本来の味わいを引き出します。
●撥ね木搾り(はねきしぼり)

てこの原理を応用した圧搾による酒搾りの手法。

巨大な一本の木(約8メートル)を天井からつるし、その重みとてこの原理によって圧力をかけて搾り上げられる。

日本酒になる前の段階である醪(もろみ)を酒袋に入れ、槽(ふね)と呼ばれる大きな枠の中に積んでいき、その上から蓋をし、巨木(撥ね木)を使って圧力を掛け搾っていた伝統の製法技術です。

搾り機・杉樽01

●槽による搾り(槽しぼり)

伝統的な酒搾りの手法。

50cm程の大きさの酒袋に醪(もろみ)を入れ、上から圧力をかけて日本酒を搾ります。

道具の形が船の底に似ていることから「槽(ふね)しぼり」と呼ばれています。

搾るのに時間はかかるが、手間をかけているので雑味の出ない日本酒本来の味わいを楽しむことができます。

搾り機・杉樽02

●袋吊り(雫取り)

大吟醸を絞るときに用いる手法。

醪(もろみ)を酒袋に入れ、吊るし、重力をかけず自然に落ちてきた日本酒を集めます。圧力をかけて搾る方法に比べると重労働で取れる量もわずかだが、残った米粒を潰すことがないため雑味がなく、より綺麗な味を引き立てます。

搾り機・杉樽03

●自動圧搾機による搾り

全国の酒蔵で最も一般的な酒搾りの方法。

自動圧搾機はアコーディオンのような形をしていて、蛇腹状のフィルター板(ろ板)で醪(もろみ)を圧搾していきます。

時間をかけずに搾れることから、酸化を抑えられ、安定した香りと味わいを保つことができます。

●杉樽

日本酒の仕込みは元々壺や甕で行われていましたが、樽の登場により、大量生産が可能になりました。樽の寿命は長く、新樽は20~30年酒樽として使用し、その役割を終えると味噌屋や醤油屋が買い取り20〜150年使用したそうです。現在は保管のしやすいステンレスタンクを使用しています。

当時は仕込み、貯蔵までを行った杉樽でしたが作業性や温度管理などの問題もあり、現在では温度管理がしやすく、微生物の働きを調整できるほうろう製やステンレスタンクが主流となっています。

搾り機・杉樽04